それは会社の同僚だった...

結婚式の案内状が届いたのは式の1ヶ月ほど前の9月28日。

結婚をするのは会社の同僚の子だった。名前を出すのはマズイので、一応ここではA子としておこう。 友人のI子も招待を受けて、一緒に行くことにした。

I子は ダイエット に励んでいたけれども、なかなか成果の出ない子で、私は内心ウヒョヒョと、ほくそ笑んでいた。

I子のダイエット

I子はいつもながらに例のダイエットに効くという運動をやっていた。自分では 「効果が出てきたのよ」と言いつつも、見た目はそれほど変わらない。口で言うほど 効果は出ていないのだと私は思っていた。

だがある日、I子の体に異変が起こったのを発見。痩せてきている!確かに。これはいけない。 なぜなら、ダイエットに励んでいて痩せていないのは私だけになってしまうからだ。

あせる私...

I子は結婚式に向けて着実に痩せてきていた。それはまさに、オリンピックにベストの成績を残せるように 調整するアスリートのような着実さだった。

一方私は、ダイエットをしているにもかかわらず、一向に成果が出てこない。マズイ。このままではマズイ。 結婚式でトドのような体型を晒してしまうことになってしまう。

その日から結婚式当日まで、あと半月ほどになっていた。

そして、運命の結婚式当日。

結局私はトドのような体型をアシカのような体系にすることには成功せず、結婚式に出席するのは 憂鬱に感じていた。さらには、あのI子がビックリするほどスリムになっているとなれば、一緒に出席する 私はI子と比べられてしまう。

だが、そんな心配は式が始まってしまえば一気に吹っ飛んだ。

I子は披露宴で出てくる料理をマシンのように食べ始めたのだ。今までダイエットで我慢してきた食欲が 一気に噴出したのだろう。見ている私たちは呆気にとられていた。もちろん、ウェディングケーキも例外ではない。

一度彼女のターゲットとなったウェディングケーキはロックオンと同時に彼女の胃の中へと消えていた。そして、 その食欲はとどまるところを知らず、結婚式が終わった後に、ファーストフード店へ消えていく彼女を多くの人が 目撃していた。

言うまでもなく、その数日後、彼女は元のI子に戻っていた。